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2010/5/14 研究に利用する装置(2)LC/MS

前回、「高速液体クロマトグラフィー(HPLC)」装置を紹介しました。今回は、HPLC装置に「質量分析(MS)」装置が連結した「LC/MS」装置です。

HPLCは、ペプチドなどの物質の分離を行うための非常にすぐれた手法です。ただ、HPLCで個々の物質を分離しても、通常の検出器(UV検出器など)では化学構造に関する情報はあまり得られません。MS装置は、物質の分子量に関する情報が得られるのが大きな特徴です。私たちの研究室にあるLC/MS装置では、分子量3,000以下の物質の分子量情報が得られるため、ペプチドの構造解析や同定に強力なツールとして活躍しています。なお、今日では、2段階の質量分析を行うLC/MS/MS装置も普及しつつあり、より多くの構造情報が得られるようになっています。

下の写真のLC/MS装置は、2003年に科学研究費補助金で研究室に設置したものです。大型外部資金の獲得により、ようやく導入することができたので、私(有原)にとっては思い出深い研究機器です。これまで最も大切に使ってきた機器かもしれません。

イメージ

HPLC装置(左)とパソコン(右)に挟まれて中央にあるのが、MS装置です。