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2010/5/18 研究に利用する装置(5)非観血式血圧測定装置

ペプチドの構造を決定し、アミノ酸配列情報に基づいて合成ペプチドを準備すれば、そのペプチドの様々な性質を調べることができます。今回は、私たちの研究室で、ペプチドの血圧降下作用を調べるために利用しているラット用の「非観血式血圧測定装置」を紹介します。

京都大学の家森教授が開発した「高血圧自然発症ラット(SHR)」は、ヒト型高血圧症モデル動物です。私たちは、このラットにペプチドを投与し、血圧への影響を検討してきました。血圧降下ペプチドをSHRに経口投与し4時間程度が経過すると、血圧の降下が認められ始めます。

下の写真の装置は、1998年に研究室に導入したもので、ずいぶん使い込まれたものです。ラット(SHR)の尾をカフと呼ばれるセンサーに通し、尾動脈の血圧を計測することにより収縮期血圧を求めます。私たちの研究室では、この装置を利用し、食品タンパク質が分解された際に生成する血圧降下ペプチドについて、多くの知見を得ることができました。

イメージ

写真からもお解りになるように、複雑な装置ではありませんが、ラットの血圧は割合と変動しやすいので、操作にはある程度の熟練が必要です。ラットを怖がらせないよう、愛情を持って接することも大切です。