food function and safety

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2010/5/20 研究に利用する装置(7)GC-匂い嗅ぎ装置

今回からの4回は、「香り」や「味」といった食品やペットフードの嗜好性を研究する際に、私たちが利用している実験装置を紹介します。まず最初に、「ガスクロマトグラフィー-匂い嗅ぎ」(GC-O)装置を紹介します。

ガスクロマトグラフィー(GC)法は、揮発性成分の分析に絶大な威力を発揮する手法です。もちろん、私たちが鼻で感じることができる香りは、揮発性成分によるものです。したがって、食品の香り成分の検出にもGC法は効果的に利用されています。

私たちの研究室では、GC装置に「匂い嗅ぎ」装置を取り付けたGC-O装置が大活躍しています。下の写真で、大畑素子先生が鼻を近づけている部分からは、GC装置で分離された香り成分が次々と出てきます。香り成分は、電気的に検出することも可能ですが、香りの質についての情報を得ることは困難です。多量に含まれている成分でもあまり強く匂わないものもあれば、極微量しか含まれていないにもかかわらず強烈に匂う成分もあります。ですから、一見原始的な手法に感じられるかもしれませんが、実際にGC-O装置で「匂いを嗅ぐ」ことは、香りの分析には非常に優れた方法と言えます。

イメージ

大畑先生を中心とした精力的な研究により、食品やペットフードの嗜好性に関わる重要な香り成分の同定が進められています。今後、研究成果を生かし、香りの良い食品やペットフードが誕生することでしょう。