2010/5/22 研究に利用する装置(9)SAFE
今回紹介するのは、大畑素子先生がこよなく愛している「Solvent Assisted Flavor Evaporation」(高真空香気蒸留)装置です。略して「SAFE」と記載される場合が多いようです。
私(有原)のようにペプチドなどの非揮発性の物質を扱っている者から見ると、香り成分のような揮発性の強い物質は、取り扱いがかなりやっかいそうに見えます。SAFE装置は、そんな香り成分を瞬時に凍結して揮発や分解を避けて集めるためのものです。
私たちの研究室では、SAFE装置により、食品やペットフードの香り成分を採取・濃縮し、「GC-匂い嗅ぎ装置」や「GC/MS装置」に用いる試料を調製しています。下の写真の右側のガラス製の部分がSAFE装置の本体で、左側は濃縮のためにつなげている真空ポンプです。
いつも実験が終わった後に、SAFE装置を丁寧に洗浄して大切にしまっている大畑先生の姿を見ると、この装置への愛情がよく伝わってきます。上の写真からではわかりにくいのですが、熟練したガラス職人による手作りの「作品」であるSAFE装置は、ある種の「機能美」を備えているように感じられます。
- (1)HPLC
- (2)LC/MS
- (3)プロテインシークエンサー
- (4)自動ペプチド合成装置
- (5)非観血式血圧測定装置
- (6)トレッドミル
- (7)GC-匂い嗅ぎ装置
- (8)GC/MS
- (9)SAFE
- (10)味覚センサー