“Functional Meat Products”(機能性食肉製品)
保健的な働き(たとえば、血圧降下作用)を付与した食品を「機能性食品」とよんでいます。「特定保健用食品」(通称:トクホ)も、そのひとつです。私たちの研究室が主な研究対象としている畜産食品(乳・肉・卵)では、とくに乳製品において機能性食品の研究開発が盛んに行われてきました。プロバイオティクスとよばれる体によい働きをする乳酸菌やビフィズス菌を利用した発酵乳などが、スーパーの店頭にはたくさん並んでいます。
一方、同じ畜産食品でも、食肉を主原料とする機能性食品は、これまであまり多く登場しておらず、研究も乳製品に比べると盛んとは言えない状況でした。下の写真は、機能性食品(Functional Foods)の有名な専門書ですが、この本にも「機能性食肉製品」(Functional Meat Products)に関する記述はほとんどありませんでした。
今回、この書籍が改訂されることになり、新しい版では“Functional Meat Products”の章が設けられ、私達が執筆を要請されました。食品機能安全学研究室では、長く機能性食肉製品に関連した研究を続け、民間企業との連携により製品開発にも関わってきましたので、この要請はとても喜ばしいことでした。今日(2010/5/31)、完成原稿を出版社(Woodhead Publishing, Cambridge)に提出しました。原稿中では、私たちが研究開発を進めてきた「食肉タンパク質由来の機能性ペプチド」と「プロバイオティクス乳酸菌の利用」についても、重点を置いて解説しました。