北東北の魅力
青森・岩手・秋田の3県は「北東北」と呼ばれています。新幹線が通っても、首都圏からみると、いぜんとして遠く感じられる地域のようです。
先日、『北への旅 なつかしい風にむかって』(椎名 誠, PHP研究所, \1,500)という本を読みました。この本は、北東北に魅せられた椎名誠氏が、自ら写真を撮って語っている「フォト&エッセイ」です。椎名氏の写真も文章も魅力的ですが、北東北に対する固定観念がずいぶん強いようで、掲載されている写真は人情味豊かですが、昭和30年代を思わせるノスタルジック臭の強いものです。北東北を訪れたことのない方が読む(見る)と、期待通りの北東北が描かれているのかもしれません。
北東北を語るのに、「キルギスの冬」や「極寒のシベリア」を引き合いにしているのは、北東北(青森県)に25年間住んでいる私にとってはちょっと不本意です。少し批判的に紹介してしまいましたが、共感を持てる記述も多いですし、楽しめる本ではあります。ただ、北里大学獣医学部を志している都会の高校生の皆さんに、「北東北の日常は、普通に過ごしやすい」と伝えたいだけです。高校生の皆さん、どうぞ心配しないで十和田キャンパスに来てください。自然豊かな魅力的な地域であることも間違いありません。