非加熱の生乳を味わってもらいました。
先週の畜産食品化学の講義(動物資源科学科2年)で、加熱殺菌による牛乳の風味変化についての話をしました。スーパーで売られている牛乳の多くは、120~130℃で2~3秒間の加熱殺菌処理を経ています。加熱殺菌により、含硫アミノ酸の分解やメイラード反応が起こり、様々な風味成分ができます。そのため、加熱殺菌牛乳の風味は、加熱前の牛乳(法律的には、「生乳」と呼んでいます)とは大きく異なっています。
北海道中礼内村にある「想いやりファーム」の「想いやり生乳」は、加熱殺菌を経ていない生乳です。今日の授業では、この非加熱生乳を学生諸君に味わってもらいましたが、普段飲んでいる牛乳との違いに驚いていました。多くの諸君は、非加熱生乳の方が美味しいと言っていましたが、中にはいつもの飲みなれた加熱殺菌乳が美味しいと言う学生さんもいました。いずれにしろ、牛乳の風味変化を体感することにより、食品における化学反応を身近なものとしてとらえることができたのではないでしょうか。