food function and safety

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2011/07/28 研究のキーワード(5)機能性ペットフード

犬や猫といった伴侶動物の存在意義が向上するに伴って、彼らの食に対しても大きな関心が持たれるようになっています。量販店のペットフードコーナーには、驚くほど多種類のドッグフードやキャットフードが並べられています(下写真)。



私たち人間の健康維持や疾病予防に役立つ食品として、「機能性食品」がありますが、最近では「機能性ペットフード」と呼ぶべき製品もよく目にするようになってきています。

私たちの研究室では、「美味しくて体に良い」機能性食品に関する研究を行ってきましたが、同様のコンセプトの機能性ペットフードの誕生を目指した研究にも取り組んでいます。とくに、畜肉や魚肉に含まれるタンパク質を分解した際に生成するペプチドの働きを重視しています。また、乳酸菌・ビフィズス菌の保健的な機能にも注目し、犬や猫に適したプロバイオティクスやプレバイオティクスの開発も目指しています。

ところで、ペットフードの場合、人間が食べる食品以上に嗜好性が重要で、犬や猫は美味しくないフードには見向きもしてくれません。このことから、ペットフードの味や香りといった嗜好性の研究にも力を入れています。これまでに犬や猫の好む味や香りに関わる物質の探求を進め、多くの興味深い知見が得られています。

すでに民間企業との連携により、嗜好性と保健的機能性に優れたペプチド性ペットフード素材に関する特許出願を行い、研究成果を生かした製品も登場しています。下の写真に示したのは、畜肉や魚肉タンパク質分解物(ペプチド)を利用したキャットフードです。これらの製品では、とくにペプチドの「抗ストレス作用」を生かしています。現在、さらに「美味しくて体に良い」ペットフードの誕生を目指して研究を続けています。



なお、ペットフードについては、以下の「フード・ペプタイドトピックス」にも関連情報がありますので、こちらもぜひご覧ください。