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2011/08/02 『たんぱく質入門』(本の紹介2)

現在中高年以上の研究者や技術者の方々は、学生時代に「講談社ブルーバックス」シリーズに親しんだ方が多いのではないでしょうか。1963年に発刊したこのシリーズの「発刊のことば」を見ると、「読む人に科学的に物を考える習慣と、科学的に物を見る目を養っていただくことを最大の目標」としています。最近、理科系の学生諸君でもブルーバックスを知らない方が結構いるという話を聞いて少し驚きました。現在のブルーバックスは、「科学」をかなり広範にとらえているようで、目録を見るとずいぶん色々なタイトルのものがあります(既刊1,300点以上!)。学生の皆さんは、ぜひ一度、書店のブルーバックスのコーナーに足を向けてみてください。きっと惹かれるタイトルが見つかるでしょう。

今回紹介するのは、『たんぱく質入門 どう作られ、どうはたらくのか』(武村政春著, \945, 2011/6)です。著者の武村氏は、栄養化学領域の出身であることもあって、身近な食品たんぱく質を例にして解説している部分が多く、親しみやすい内容になっています。「はじめに」には、主な読者を高校生諸君としている旨のことが書かれていますが、たんぱく質と病気の関係や、最新の分子生物学にも言及しており、大学生以上の方でも物足りなく感じることはないと思います。この1冊をきっかけに、ブルーバックスファンになるかもしれません。

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