2011/11/25 西安の食事情(完結編)
西安の食事情を、「羊肉」編と「乳卵」編でお伝えしましたが、今日は最終回の完結編です。西安の料理は、日本でよく知られる「北京」、「広東」、「四川」、「上海」という中国4大料理とはかなり異なります。羊肉がよく用いられることに加えて、スパイスや香り油(辣油、葱油、山椒油等)が多く使われているのが大きな特徴です。イスラム料理と四川料理が融合したものが西安料理と解説している方もいます。西安では、ファーストフードのケンタッキーフライドチキンでさえ、かなりスパイシーな味付け(辛い!)でした。
西安料理の特徴のひとつはスパイスの効いた辛い味ですが、写真のような唐辛子などのスパイス類がよく売られていました。
「ナン」を焼いているのをよく目にしましたが、これもイスラム教徒の食文化です。
ナツメ(手前)やクルミ(後方)は西安を起点とするシルクロードの特産品だそうです。
写真のザクロの他に、カキやイチジクなどシルクロードは美味しい果物も豊富です。
アルコールを飲まないイスラム教徒は甘いものを好むそうです。西安料理でも、デザートのように甘い料理が食事の途中に出てきて驚かされました。写真で西安名物のスイーツを売っているおじさんは、「地球の歩き方」にも登場する有名人です。
西安の食事情については、西安培華学院で日本語を教えておられる藤田陽三先生(写真右端)から貴重な情報を教えていただきました。西安在住11年の藤田先生は、完璧な中国語を話されるうえに西安のことを本当によくご存知です。なお、写真右から2番目は先生行きつけのお茶屋さんの店主で、3番目は日本への留学を希望しているZhouさんです。
3回にわたって西安の食事情を紹介しましたが、掲載した写真だけ見ると、現在の西安を誤解されてしまうかもしれません。急成長を続ける人口約800万人の大都市西安の目抜き通りには、近代的なデパート、ショッピングセンター、ホテル、そしてマグドナルドなどのファーストフード店がずらりと並んでいます。こういった建物の中に入ってしまうと、東京と同じような光景が広がっています。
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