food function and safety

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2011/11/29 『動物園革命』(本の紹介23)

今回紹介するのは、『動物園革命』(若生謙二著, 岩波書店, \2625, 2010/12)という本です。私(有原)も、頻繁に海外出張に出かけていた頃、各国の動物園をよく見物しましたので、それなりに動物園には関心を持っています。日本ではひところ、先進的な取り組みとして旭山動物園の話がよく紹介されましたが、この本を読んで、現在、さらに動物園を根幹から変える動きが進んでいることを知りました。



本書は、天王寺動物園再整備計画で「生息環境展示」に取り組んだ造園学の専門家によるものです。動物園の歴史や方向性など、動物園についてのかなり広範な知識を得ることもできます。子供のころから動物園が大好きだった著者自身の経験を軸に、自伝的に構成されているところも読者に語りかけているような感じで好感をもてました。

私の所属する動物資源科学科には、将来、動物園で働きたいという学生さんが少なからずいます。そんな皆さんには、ぜひ読んでもらいたい本です。よい動物園を実現させるためには、単に動物好きな人たちが集まっただけではできないようです。以下に本書の目次をあげておきます。

  • 第1章 未開拓の動物園展示
  • 第2章 アメリカの動物園の動き
  • 第3章 天王寺動物園からの依頼
  • 第4章 ウィルダネスから環境主義へ -アメリカの動物園史
  • 第5章 天王寺動物園「アフリカサバンナ草食動物エリア」
  • 第6章 天王寺動物園「アジアの熱帯雨林」
  • 第7章 天王寺動物園「アフリカサバンナ肉食動物エリア」
  • 第8章 ズ-ラシア「チンパンジーの森」
  • 第9章 長野市茶臼山動物園「レッサーパンダの森」

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