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2011/12/08 『Cooking for Geeks 料理の科学と実践レシピ』(本の紹介24)

今回紹介するのは、『Cooking for Geeks 料理の科学と実践レシピ』(Jeff Potter著, 水原 文訳, オーム社, \3570, 2011/9)という本です。あたりまえのことですが、家庭で作る料理にも様々な化学反応が関わっています。多くの方は経験的な判断やレシピの記載により、料理を作っていることでしょう。しかし、化学的な知識を活用すれば、緻密な計画による美味しい料理ができるはずです。



本書の帯には、「食材の特性、時間、温度、科学物質など、料理の変数を知り、使いこなすための本」とあります。フィーリングを大切にする方には抵抗がある内容かもしれませんが、料理と化学実験が好きな方には、これほどの好著はないでしょう。「モダニスト料理」や「分子ガストロノミー」といった料理に対する新しい考え方も魅力的です。400ページを超える厚い書籍で、その情報量はかなりなものです。タンパク質の加熱変性(凝固など)や褐変化現象(メイラード反応)など、食品科学(化学)に関する基礎的な記述も随所にあり、食品関係の分野を専攻する大学生にとっても有益な参考書となりそうです。

本書には、100以上のレシピや、多くの科学者やシェフなどの興味深いインタビュー記事も掲載されています。巻末に付録としてある「アレルギーと料理」にも、有用なレシピが盛り込まれています。以下に、本書の主要目次を載せておきます。

  • 第1章 ハロー、キッチン!
  • 第2章 キッチンの初期化
  • 第3章 入力の選択:風味と食材
  • 第4章 時間と温度:料理の主要変数
  • 第5章 空気:焼き菓子作りの重要変数
  • 第6章 食品添加物の使い方
  • 第7章 ハードウェアで遊ぶ

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