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2011/12/18 『すべて分析化学者がお見通しです!』(本の紹介25)

今回紹介するのは、『すべて分析化学者がお見通しです! 薬物から環境まで微量でも検出するスゴ腕の化学者』(津村ゆかり・立木秀尚・高山透・堀野善司著, 技術評論社, \1580, 2011/3)という本です。私たちの身の回りにあるほとんどのものが、化学分析により評価されています。たとえば食品では、栄養成分や有害物質などが測定されることにより、安心して食べることができます。化学分析が必要な分野は多く、電気製品や自動車などあらゆる工業製品が対象となります。また、環境汚染など自然界を相手にする化学分析も重要です。厚生労働省の調査によると、「化学分析員」という職種の人たちは約3万人とのことで、彼らの活躍領域は実に多岐にわたっています。



「分析化学」などという言葉が書名にあると、抵抗がある方もいるかもしれません。しかし、本書は分析の専門家(技術者)が、それぞれの分野の様子をわかりやすく伝えています。一方で、科学的な正確さも損なわれておらず、大学生が読む「分析化学入門書」としてもお勧めの1冊です。本書ではかなり新しい分析技術も、装置の写真付きで紹介されています。私たちの研究室でも活躍しているGC/MS装置LC/MS装置、そして味覚センサーまでが取り上げられているのには驚きました。以下に、本書の目次をあげておきます。

  • 第1章 環境を分析する
  • ~水から空気までキレイをはかるスペシャリスト
  • 第2章 食品を分析する
  • ~食と健康を守る科学のチカラ~
  • 第3章 医薬品を分析する
  • ~膨大な試験と2万分の1の最終製品~
  • 第4章 鉄鋼材料を分析する
  • ~さびない鉄から強い鋼まで~
  • 第5章 乱用薬物の鑑定
  • ~クロからシロかの動かぬ証拠~
  • 第6章 分析の基礎知識
  • ~これが頼り!~
  • 第7章 これが頼り!分析七つ道具
  • ~分析屋が使いこなす道具と手法~
  • 第8章 分析よもやま話
  • ~意外な話から裏話まで語ります!~

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