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2012/02/03 『イヌの遺伝子 ペットを科学する』(本の紹介32)

今回紹介する「イヌの遺伝子 ペットを科学する」は、実は書籍のタイトルではなく、『ナショナルジオグラフィック』誌の最新号(2012/2)に掲載されている特集です。18ページにわたるこの記事は、ナショナルジオグラフィック誌ならではの多数の美しい写真により構成されています。



雑誌表紙にある記事タイトルは上記のとおりですが、記事の部分には「十犬十色 犬の遺伝子を科学する ペットとしての進化が生んだ多様性」となっており、こちらの方が記事内容を的確に示しています。以前、『ネイチャー・ダイジェスト』に掲載された「犬は最良のパートナー」という記事を紹介したことがありましたが、近年、イヌの遺伝子解明が急速に進んでいます。

現存する約400の犬種の大半は、最近200年の間に作られました。驚くほど多様な姿をしている犬たちですが、その身体的特徴の鍵を握る遺伝子は3個以下の場合が多いというのですから驚きです。ダックスフンドのような小型犬になるか、ロットワイラーのような大型犬になるかは、わずか1個の遺伝子の変異にかかっているそうです。イヌの遺伝子に関する研究成果は、人間の遺伝病を克服するために有用であることも注目されています。犬好きな方に限らず、一読の価値がある記事です。

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