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2012/05/27 『犬から見た世界』(本の紹介46)

今回紹介するのは、『犬から見た世界 その目で耳で鼻で感じていること』(アレクサンドラ・ホロウィッツ著, 竹内和世訳, 白揚社, \2,625, 2012/3)という本です。帯に「NYタイムズ・ベストセラー ノンフィクション部門第1位!」とあるように、米国ではかなり評判になった書籍のようです。ただ、学術専門書ではありませんが、書かれていることはかなり高度のことのように感じられました。私が犬について詳しくないことや、翻訳書ということも関係しているでしょうが、パラパラと読み進める本ではありません。「すべての動物は彼らだけのウムヴェルト=環世界を持っている。」といった書き方をされると、身構えてしまいますが、じっくりと読むと犬という動物の本質(内側)が理解できそうです。



私は、最近「嗅覚」に関心があるので、とくに「嗅ぐ」という章の記述に惹かれました。犬の嗅覚が優れていることはよく知られていますが、「人間が世界を見るように、犬は世界を嗅ぐ」ということは、われわれの感覚ではなかなか理解しにくい話です。本書では、この種の犬が生きている環世界を、丁寧かつ学術的根拠に基づいて解説したものとして貴重な一冊でしょう。犬に関わる仕事に就こうと思っている学生諸君にもお勧めです。

以下に本書の目次をあげておきます。

  • 犬の環世界 ―犬の鼻から世界を見る
  • 家に属するということ
  • 嗅ぐ
  • もの言わぬ・・・・・・
  • 犬の目
  • 犬に見られる
  • 犬は人類学者
  • 犬は心を読むか
  • 犬の内側
  • 絆を作り上げるもの
  • 朝の大事な時間

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