food function and safety

ニュース

2012/06/07 研究室で活躍する機器(1)ロータリーエバポレーター

以前、「研究に利用する装置」として、「HPLC」「LC/MS」「プロテインシークエンサー」「自動ペプチド合成装置」「非観血式血圧測定装置」「トレッドミル」「GC-匂い嗅ぎ装置」「GC/MS」「SAFE」「味覚センサ」といった装置10種類を紹介したことがありました。これらのやや大掛かりな装置は、貴重な実験データを得るのに直接貢献するいわばエース級の存在です。しかし、研究室にはこれら以外にも地味な存在ながら、なくてはならない機器がたくさんあります。今回からは、そういったちょっと控えめな存在を紹介します。

食品などに含まれる成分を研究する場合、その食品を適当な溶媒(たとえば水)とともに砕いて溶液にする場合があります。この溶液中の不溶物を適当な方法(濾過や遠心分離)で除いた後の透き通った溶液は、量的にかなり多いことがあります。これを扱い易い量に「濃縮」する際に活躍するのが、「ロータリーエバポレーター」です。

ロータリーエバポレーターを使って食品抽出液を濃縮している様子です。フラスコに入った抽出液が温浴中で温められると、試料に含まれる溶媒(水など)が揮発し、中央のガラス製装置で冷却されて下方のフラスコに集められます。左端にある減圧ポンプを併用することで、蒸留速度が速くなります。

減圧しながら蒸留するため、ときどきフラスコ中の試料が泡だってしまうことがあります。貴重な試料が失われることもあるため、こうならないように注意します。濃縮が進むと、多くの試料はシロップ状になります。

ニュース(教育・研究) 一覧へ戻る