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2012/09/15 『はじめて学ぶ化学』(本の紹介62)

今回紹介するのは、『はじめて学ぶ化学』(野島高彦著, 化学同人, \2100, 2012/4)という本です。「はじめに」の冒頭に、「本書は、楽しみながら化学を学べるように編集されている教科書です。高校で化学を履修しなかった人でも理解できるよう、化学を基本から丁寧に説明することにこころがけました。」とあります。著者の野島先生は、北里大学の一般教育部で1年生諸君に化学を教えている方で、その経験をもとに生まれたのが本書です。



本書は、親しみやすいイラストを用いたり、身近な例をあげたりすることにより、感覚的に化学の基礎を理解できるような工夫がされています。「濃度の表しかた」という実践的な領域に一章を割いているのも、学生諸君にとってありがたいところです。最終章を「放射線と放射能」にしたところも、本書の魅力を高めています。

AO入試や推薦入試で早々と入学が決定した高校3年生の皆さんが、入学前に読んでおくのもよいでしょう。もちろん、獣医学部の1年生諸君にも、十和田に来る前に繰り返し読んでおいてもらいたい本です。なお、野島先生はウェブサイト(http://takahiko.info/)やツイッターからの情報発信も、化学教育に積極的に活用されています。

以下に本書の目次を載せておきます。

  • 第1章 科学における化学
  • 第2章 原子 ―この世界をかたちづくっている材料―
  • 第3章 元素と周期表
  • 第4章 原子と原子のつながり
  • 第5章 モルと化学反応式
  • 第6章 濃度の表しかた
  • 第7章 酸化と還元
  • 第8章 物質の性質と状態
  • 第9章 気体の性質
  • 第10章 化学反応と熱エネルギー
  • 第11章 化学反応と化学平衡
  • 第12章 水と溶液
  • 第13章 透析と浸透圧
  • 第14章 酸および塩基とpH
  • 第15章 放射線と放射能

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