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2012/10/28 『面白くて眠れなくなる化学』(本の紹介67)

今回紹介するのは、『面白くて眠れなくなる化学』(左巻健男著, PHP研究所, \1365, 2012/4)という本です。著者の左巻氏は、中学・高校の教諭を26年間務めた後に、理科教育を専門とする大学教員になった方です。本書は、化学の面白さを伝えるために書かれています。自らの授業での経験(化学実験)に基づいた記述が中心で、受け売りでない話に引き込まれます。



本書は全部で27項目から構成されていますが、圧巻は「ダイヤモンド火で松茸を焼く!?」です。炭素からできているダイヤモンドですが、実際に燃焼させるのは難しく、悪戦苦闘の末に松茸を焼くことができた話はなかなかの面白さでした。この破天荒な実験は、『探偵!ナイトスクープ』という番組の企画で行われたようですが、切削工具メーカーから提供された大量のダイヤモンドを利用するなど、実に豪華な実験です。

「コーラを飲むと歯や骨が溶ける?」というよくある疑問にもかなり詳しく答えてあり、コーラ好きな私も勉強になりました。「殻を酢で溶かしてぷよぷよ卵」も面白そうな話で、詳しい作り方が書かれているので、近いうちに試してみるつもりでいます。

本書は、Part 1「スリリングな化学のはなし(7項目)」、Part 2「面白くて眠れなくなる化学(8項目)」、Part 3「思わず試したくなる化学(12項目)」から構成されています。なお、『面白くて眠れなくなる数学』と『面白くて眠れなく物理』も、同じ出版社から出されています。

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