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2013/01/16 『群れはなぜ同じ方向を目指すのか?』(本の紹介77)

今回紹介するのは、『群れはなぜ同じ方向を目指すのか? 群知能と意思決定の科学』(レン・フィッシャー著, 松浦俊輔訳, 白揚社, \2520, 2012/8)という本です。本書の表紙には、様々な体色をした牛の群が一方向に歩んでいく魅力的な写真が使われています。私はこの写真に惹かれてこの本を手にしましたが、鳥や昆虫などの群れの行動に興味を持ったことがある方は多いと思います。動物の群れをなす行動は時として魔法のように見事なものですが、今日では「群知能」という概念で説明できるようになりました。



この本の「はじめに」は、「映画『スター・ウォーズ』が興行収入記録を破って間もない頃、97匹のイナゴの集団が座席に着いてこの映画を見ることになった。」というちょっと風変わりな出だしで始まり、その先が気になって読み進みました。本書の帯には「アリの生存戦略から人間の集合知まで」と書かれていますが、渋滞の回避、人混みで歩く方法、損をしない買い物の仕方、良い相手を見つけるには何人とお見合いをすればよいか、という話にまで及びます。最終章の「日常生活に役立つ34のルール」を実際に役立てるのは難しいような気もしますが、実に興味深いルールです。

以下に、本書の目次をあげておきます。少し難しいところもありますが、動物(生物)の行動に関心をお持ちの方にはお勧めの本だと思います。

  • 第1章 群知能 ― 集団から生まれる新しい知性
  • 第2章 群れと自己組織化
  • 第3章 最短ルートの見つけ方
  • 第4章 渋滞と群集の力学
  • 第5章 集団の知恵 ― 多数決か平均か
  • 第6章 多様性から合意へ
  • 第7章 ネットワークの科学
  • 第8章 意思決定のための単純な規則
  • 第9章 パターンを探せ!
  • 第10章 日常生活に役立つ34のルール

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