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2013/3/19 『山に肉をとりに行く』(本の紹介86)

今回紹介するのは、『山に肉をとりに行く』(田口茂男著, 岩崎書店, \1680, 2012/12)という本です。本書は、いわゆる「写真絵本」です。冒頭に、「『肉』は、天然鳥獣のこと。それは、食料であり、お金でもある。言いかえれば、山に食べ物や現金をとりに行く、ということになる。ぼくはフリーランスの職業自然写真家。・・・」とあります。本書は、山に暮らす現代の猟師の営みを、写真と平易な文章でうまく伝えています。



山で獣を獲り、そして解体する様子が、気負いなく描写されているのが心に残りました。残酷な印象を与えてしまいがちな動物の解体シーンも、本書では当たり前のものに感じられてしまいます。全体を通して使われている写真には不自然な演出がなく、山で営まれている本当の暮らしを理解できた気がします。難しい漢字にはふりがなが付いているので小学生にも読めますが、山の生活を知らない私のような大人も十分に楽しむことができます。

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