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2013/10/30 『食べられないために』(本の紹介107)

今回紹介するのは、『食べられないために 逃げる虫、だます虫、戦う虫』(ギルバート・ウォルドバウアー著, 中里京子訳, みすず書房, \3570, 2013/7)という本です。昆虫は、地球の生態系を支える偉大な存在です。そのために、虫たちは鳥などに食べられることが、いわば宿命となっています。しかし、虫の方でも、食べられてばかりではいられないので、様々な護身術を備えています。そんな虫たちと鳥などの捕食者たちとの絶妙な関係が、本書では描かれています。



昆虫に興味のない方にもお勧めですと言いたいところですが、おそらく昆虫嫌いの方にはあまり面白くない本でしょう。精細な図が10枚だけ載っていますが、もう少し写真や図があると、読者層を広げられたかもしれません。専門書ではありませんが、巻末には豊富な引用文献と充実した索引が付いているので、昆虫マニアの方々には納得の一冊かと思います。著者は米国を代表する昆虫学者だそうです。

以下に本書の目次を載せておきます。

  • プロローグ
  • 第一章 生命の網をつむぐ昆虫
  • 第二章 虫を食べるものたち
  • 第三章 逃げる虫、隠れる虫
  • 第四章 姿を見せたまま隠れる
  • 第五章 鳥の糞への擬態、さまざまな擬装
  • 第六章 フラッシュカラーと目玉模様
  • 第七章 数にまぎれて身を守る
  • 第八章 身を守るための武器と警告シグナル
  • 第九章 捕食者の反撃
  • 第十章 相手をだまして身を守る
  • エピローグ

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