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2014/05/15 『90億人の食』(本の紹介119)

今回紹介する『90億人の食 地球と食料の未来』は書籍のタイトルではなく、『ナショナルジオグラフィック誌』の最新号(2014/5)で始まった連載です。2050年には90億人に達する世界人口を賄う食料を、環境に負荷をかけずに確保できるのかを、8回にわたって探るというものです。第1回の「5つの提言から考える世界の食の未来」では、環境科学者のジョナサン・フォーリーが、「農地を拡大しない」、「今ある農地の生産性を高める」、「資源をもっと有効に使う」、「食生活を見直す」、「食品廃棄物を減らす」の5つを実行することで、食料供給を2倍以上増やせると主張しています。「食生活を見直す」の中には、畜産の効率化と畜産物消費の抑制もあり、動物資源科学を専門領域としている私たちにも大きな課題を投げかけています。



ナショナルジオグラフィック誌の魅力は、なんといっても見事な写真が多数使われれていることです。今回掲載されている米国の小麦農場、ブラジルの養鶏場・養豚場、ペルーやバングラデシュの農民を撮った写真は、作品としてもすばらしいものです。食料・環境問題に関心を持っている方にはもちろんですが、あまり関心がないという方にもお勧めの連載です。これを機会に、ナショナルジオグラフィック誌を定期購読するのもよいかもしれません。私は日本語版を購読していますが、英語の勉強を兼ねて英語版を読んでいるという方も多いようです。

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