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2014/06/26 『小さくて頼もしいモデル生物』(本の紹介124)

今回紹介するのは、『小さくて頼もしいモデル生物 歴史を知って活かしきる』(森脇和郎監修, 羊土社, \2700, 2014/4)という本です。本書によると、「モデル生物」とは、「いろいろな生物を代表したモデルとして、研究に使われる生物」です。「小さくて飼育が簡単」、「世代交代が早く増えやすい」、「同じ系統の生物が世界中に普及している」、「遺伝子組み換えができる」、「ゲノムが解読されている」などが、モデル生物の特徴としてあげられています。本書の副題には「歴史」という言葉がありますが、歴史的な視点からモデル生物を眺めているのがユニークです。



研究の現場でモデル生物を扱っている方には、今後の研究に生かすことのできる情報が本書から得られるかもしれません。また、読み物としても優れていて、各章のタイトルからも、その魅力がうかがえるのではないでしょうか。歴史という視点が、各章を見事な物語に仕立てています。美しいカラー写真や図版が多く使用されており、各章末にはそれぞれの生物に関連したコラムも挿入されています。

以下に、本書の目次をあげておきます。

  • ・1 世界各国で愛玩される マウス
  • ・2 日本オリジナルのペットフィッシュ メダカ
  • ・3 イギリス生まれで世界が育てた小さな虫 線虫C.エレガンス
  • ・4 遺伝学研究の最前線を飛び続ける ショウジョウバエ
  • ・5 ヒトに近縁な半透明な生き物 カタユウレイボヤ
  • ・6 雑草からの華麗な転身 シロイヌナズナ
  • ・7 何千年も前から人類とともに 酵母
  • ・8 大黒様とともに福をもたらす ラット
  • ・9 あらゆる生き物のお腹のなかに 原核生物
  • ・10 日本の歴史とともに未来に続く カイコ
  • ・11 植物でも動物でも菌類でもない 細胞性粘菌
  • ・12 江戸期から愛され続ける アサガオ
  • ・13 ヒトと同じ真猿類 コモンマーモセット

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