北里大学 獣医学部 動物資源科学科 食品機能安全学研究室
2014/10/01 『ユーラシア大陸横断旅行記』（本の紹介130）
今回紹介するのは、『さあ行こう、シルクロードへ ユーラシア大陸横断旅行記』川内浩司著, 文芸者, \1800, 2014/3）という本です。著者の川内先生は、北里大学水産学部（現 海洋生命科学部）の教授を長く務められた方です。脳下垂体ホルモンの分野では世界的に著名な研究者であり、紫綬褒章や日本農学賞を受賞されています。本書の著者プロフィールによると、定年退職後は、「旅行」と「高山植物の撮影」に専念されているとのことです。
西安からローマまでのシルクロードを、バスで60日間かけて旅をされた際の膨大な写真と克明なメモをもとに書かれた本書は、旅行記の域を超えた著作となっています。歴史や宗教、そして食に関する記述も詳しく、関係文献を丁寧に調べられたことが察せられます。なんと言っても素晴らしいのは、プロ級の写真の数々です。折り込みページのカラー写真はとくに見事ですが、本文中に挿入されている白黒写真の多くも目を引きます。著者は、旅の目的の中で一番大切なのは「一期一会」を慶ぶこととしていますが、これは人々の魅力的な表情を捉えた写真からもうかがえます。
以下に、本書の目次をあげておきます。
- いざ、シルクロードへ
- 第一章 シルクロードの栄枯盛衰
- 第二章 国境を越えて、西へ
- 第三章 シルクロードの人々
- 第四章 シルクロードの仏教
- 第五章 シルクロードのイスラム教
- 第六章 シルクロードのキリスト教
- 第七章 シルクロードのゾロアスター教
- 第八章 禁忌（タブー）
- 第九章 シルクロードのパン
- 第十章 シルクロードの麺類
- 第十一章 シルクロードの果物
- 旅を終えて
