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2015/07/31 『モンサント』(本の紹介151)

今回紹介するのは、『モンサント ―― 世界の農業を支配する遺伝子組み換え企業』(マリー・モニク・ロバン著, 村澤真保呂・上尾真道訳, 作品社, \3400, 2015/1)という本です。モンサント社は、米国に本社を置く多国籍バイオ化学メーカーです。遺伝子組み換え作物の種(たね)では、世界シェア90%と言われています。除草剤「ランドアップ」(主成分:グリホサートイソプロピルアミン塩)も同社の主力製品であり、これに耐性を示す遺伝子組み換え作物をセットで販売し、巨大な利益を得てきました。世界で最も影響力がある企業に選ばれる一方で、最悪の企業としての批判の対象ともなっています。



モンサント社が世界に及ぼしている影響は大きく、農業(食料生産)にとどまりません。本書の目次だけ見ても、「PCB」、「ダイオキシン」、「成長ホルモン」、「ランドアップ」、「遺伝子組み換え作物」、「生物特許」といった大きな問題がモンサント社と密接な関係をもっていることがいかがえます。本書は600ページ近くのボリュームがありますが、この夏、16か国語に翻訳された世界的ベストセラーを読破してみてはいかがでしょうか。

以下に、本書の目次をあげておきます。

  • はじめに モンサントとは何か?

  • 第Ⅰ部 産業史上、最悪の公害企業
  • 第1章 PCB ――いかに地球全体が侵されていったのか?
  • 第2章 ダイオキシン(1)――ペンタゴンとモンサントの共謀
  • 第3章 ダイオキシン(2)――情報操作と贈収賄
  • 第4章 ラウンドアップ ――雑草も消費者も“一網打尽”の洗脳作戦
  • 第5章 牛成長ホルモン問題(1)――手なずけられた食品医薬品局
  • 第6章 牛成長ホルモン問題(2)――反対者を黙らせるための策略

  • 第Ⅱ部 遺伝子組み換え作物 ――アグリビジネス史上、最大の陰謀
  • 第7章 GMOの発明
  • 第8章 御用学者とFDAの規制の実態
  • 第9章 モンサントの光と影 ――1995~99年
  • 第10章 生物特許という武器
  • 第11章 遺伝子組み換え小麦 ――北アメリカでのモンサントの敗北

  • 第Ⅲ部 途上国を襲うモンサント
  • 第12章 生物多様性を破壊するGMO ――メキシコ
  • 第13章 「罠」にはめられたアルゼンチン
  • 第14章 GMO大豆に乗っ取られた国々 ――パラグアイ、ブラジル、アルゼンチン
  • 第15章 農民を自殺に導くGMO綿花 ――インド
  • 第16章 いかに多国籍企業は、世界の食料を支配するのか?

  • おわりに 「張り子の虎」の巨大企業

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