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2015/10/20 『私たちは今でも進化しているのか?』(本の紹介158)

今回紹介するのは、『私たちは今でも進化しているのか?』(マーリーン・ズック著,渡会圭子訳, 文藝春秋, \1800, 2015/1)という本です。進化には気が遠くなるほどの年月が必要だと思っていましたが、最近ではわずか数年で起こった進化の例が多く見つけられているようです。われわれ人間の進化も、数千年の間に生じたものが少なくないそうです。本書には、そんな進化に関する常識が覆されつつある状況が記述されています。



実は私(有原)が本書を購入したのは、「第四章 ミルクは人類にとって害毒か」を読みたかったからです。動物の中で離乳後も乳を飲むのは人間だけです。今日も、講義で話をしましたが、乳幼児は乳中の乳糖を分解するラクターゼという酵素が小腸で十分に分泌されますが、大人になるとこの酵素活性が失われます。しかし、大人になっても酵素活性を維持している人たちが、北ヨーロッパ人を中心に世界で35%ほどいます。この「進化」、本書によると驚くほど短い間に起きたようです。

以下に、本書の目次をあげておきます。

  • 序文 速い進化と遅い進化
  • 第一章 マンションに住む原始人
  • 第二章 農業は呪いか、祝福か
  • 第三章 私たちの眼前で生じる進化
  • 第四章 ミルクは人類にとって害毒か
  • 第五章 原始人の食卓
  • 第六章 石器時代エクササイズ
  • 第七章 石器時代の愛とセックス
  • 第八章 家族はいつできたのか
  • 第九章 病気と健康の進化論
  • 第十章 私たちは今でも進化しているのか

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