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2016/02/05 『猫を助ける仕事』(本の紹介163)

今回紹介するのは、『猫を助ける仕事 保護カフェ、ネコ付きシェアハウス』(山本葉子・松村徹, 光文社新書, \842, 2015/11)という本です。犬の飼育頭数の減少もあり、数年後には猫の飼育頭数が犬を上回る見通しです。いずれ「犬猫」ではなく、「猫犬」という表現が使われるようになるかもしれません。一方、全国で殺処分される猫は、毎年10万頭を超えています。犬の殺処分頭数の3倍以上の数字です。これは、施設に引き取られた猫が飼い主に返還されたり、新しい飼い主に譲渡されたりする割合が低いことと関係しています。



犬猫の殺処分数を減らす試みは、これまで主に行政やボランティアに頼っていました。本書では、ソーシャルビジネスの手法で猫の殺処分を減らすシステムを構築し、猫と人間の新たな共生関係を考える取り組みを紹介しています。不動産マーケティングの専門家(松村氏)が著者に加わっていることにより、現実的かつ説得力のある提案となっています。本書の帯に「足りないのは愛情ではなくシステム」とありますが、まさに目から鱗が落ちました。

以下に、本書の目次をあげておきます。

  • 第1章 忘れられない猫レスキューあれこれ
  • 第2章 猫カフェ型シェルターはこうして生まれた
  • 第3章 猫と暮らす住まいの理想と現実
  • 第4章 保護猫付き住宅を全国に
  • 第5章 これからの保護活動を考える
  • 特別対談―不動産から考える保護猫活動

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