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2016/12/17 『ネコがこんなにかわいくなった理由』(本の紹介175)

今回紹介するのは、『ネコがこんなにかわいくなった理由 No.1ペットの進化の謎を解く』(黒瀬奈緒子著, PHP新書, \820, 2016/10)という本です。本書の「はじめに」にも、「空前のネコブーム」や「ネコノミクス」が触れられていますが、ネコ関係の本もかなり多く出版されています。著者の黒瀬先生は、北里大学獣医学部に勤務されていたことがある方です(現在の所属は、大妻女子大学)。分子系統学と保全環境学を専門とする研究者が、これまでの類書とはかなり異なる切り口でネコという不思議な動物の本質に迫っています。



本書の表紙(カバー)は、上の2種類のものが使われています。カバーデザインの違いによって、同じ本がすっかり違った印象になります。内容的には、左側のやや硬い表紙が合っているのかもしれません。「ネコがこんなにかわいくなった理由」という軟らかい書名も、おそらく編集者側の意向が強く反映されたのでしょう。ただ、ネコ科動物の進化、ペットとしてのネコ、外来生物としてのネコといったことが、かなり学術的に論じられており、私にとっては非常に魅力的な内容でした。「こんな真剣なネコ本が読みたかった。」と、養老猛司先生も推薦されています。

以下に、本書の目次をあげておきます。

  • はじめに ほんとうは難しいネコの研究
  • 第一章 ネコが来た道
  • 第二章 ネコ科はどう生まれたか
  • 第三章 ネコはどう生まれたか
  • 第四章 ネコが繫栄した理由
  • 第五章 ヒトがつくるネコの話
  • 第六章 ネコとヒト、その関係とこれから
  • おわりに 保全生物学者がネコを考える

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