2011/10/01 『畜産物利用学』(本の紹介14)
今回紹介する『畜産物利用学』(齋藤忠夫・根岸晴夫・八田一 編, 文永堂出版, \5040, 2011/10)は、大学生が使う教科書を念頭に置いて編集されたものです。「畜産物利用学」という学問領域は、一般の方にはちょっとピンと来ないところもあるようです。私(有原)が所属する研究室も、以前は「畜産物利用学」でしたが、よく「畜産物理用学」とか「畜産物理容学」などと書かれることがありました。乳・肉・卵といった畜産物(畜産食品)の科学と利用(製造・加工)を対象とするのが畜産物利用学です。
- 第1章 乳の科学
- 1.乳の生合成と泌乳生理
- 2.乳の栄養成分の科学
- 3.牛乳および乳製品の検査法と安全性確保
- 4.飲用乳と乳製品の製造技術
- 5.発酵乳(ヨーグルト)の製造技術
- 6.チーズの製造技術
- 7.牛乳と発酵乳製品の機能性と健康への寄与
- 8.牛乳および乳製品に関する法令
- 9.乳および乳製品の生産と消費
- 第2章 肉の科学
- 1.筋細胞と筋肉の構造
- 2.筋肉の死後変化と死後硬直
- 3.食肉の栄養成分の科学
- 4.食肉および食肉製品の安全性と品質の確保
- 5.食肉と食肉製品(ハム類)の製造技術
- 6.食肉と食肉製品(ソーセージ類)の製造技術
- 7.食肉と食肉製品の機能性と健康への寄与
- 8.食肉生産と消費動向
- 第3章 卵の科学
- 1.鶏の産卵生理と卵の構造
- 2.卵のおいしさの科学
- 3.卵の栄養成分の科学
- 4.卵の鮮度と品質評価
- 5.パック卵と栄養強化卵
- 6.卵の加工特性
- 7.加工卵の種類と製造法
- 8.鶏卵成分の機能性と健康への寄与
- 9.卵の生産と消費および流通
- 最近のトピックスと諸問題
- 乳および乳製品(乳および乳製品と健康、乳へのメラミン混入事件、サカザキ菌と調乳温度、乳アレルギー、トランス型脂肪酸、乳牛の飼料とBSE問題、チーズ製造における発酵生産キモシン)、食肉および加工食品(食肉とBSE問題、口蹄疫、牛肉偽装事件、脱霜降り牛肉と赤肉重視の方向性、クローン牛の牛肉消費の問題、牛肉のトレーサビリティシステム、地域ブランド)、卵および卵加工食品(卵とサルモネラ食中毒、高病原性鳥インフルエンザとその防除対策、卵のコレステロールと心臓病のリスク、卵アレルギーの問題、ピロリ菌ウレアーゼ抗体を使用した機能性ヨーグルト)